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三学四師との内観対話:ドラッカー博士とのインサイトダイアローグ10

 

「経済的な成果は、景気の良し悪しによってもたらされるのではない。人によって実現されるのである。」(「創造する経営者」P301)とドラッカー博士は言う。

「確かに不景気の時代も順調な経営をしている企業は山ほどある。」と私は納得する。

 

経営者が「景気が悪いから自社の業績も良くない」と言うようならば、逆に「景気が良い時は自社の業績は良かったのですか?」と聞くことにしている。

つまり景気動向は経営に影響を与えるが、それがそのままの状態で業績に反映しているわけではないのだ。

「もし景気が回復したら自社の業績も回復する」と言うならば、もはや経営者は一体何をしているのか?と言うことに成り兼ねない。

つまり経済的な成果は、そこで働く人によって実現されるものでそのモチベーションとは比例するが、景気とは比例しないと言う認識をもつべきだろう。

 

ドラッカー博士:経営者はもっと自社で働く従業員の意識の状態に配慮すべきだろう。役割意識が低い状態のままで、どうやって経済的な成果を上げられるだろうか?いくら環境の景気が良いからと言っても、社内の従業員が落ち込んでいれば成果は上がらない。先ずは意識を変えることだ。

著者自身:ではどうやって従業員の意識を高めれば良いのでしょうか?

ドラッカー博士:一言で言えば、従業員のやらされ感をなくすように努力することだな。

著者自身:従業員は基本的には「報酬を得るために働いています」ので「報酬を高くしないと意識は高くならないのではないでしょうか?

ドラッカー博士:20世紀はそうだったかもしれないが、21世紀はそうとは言い切れない。

次第に「仕事自体の面白さ」や「仕事の社会的な意義」や「仕事を通じての自己実現」と言うようにより高次元の欲求を持つ従業員も現れてきている。

彼らの動機は「そもそも景気云々には全く関係がない」

むしろ不景気ならばそれを打開する方法ややり方に挑戦する意欲を持つだろう。

著者自身:そうですね。特に若い労働者は生きがいとかやりがいとかに意識が向き始めています。雇用市場が売り手市場と言うことも反映しているのでしょうが、「何の為に働くのか?」を自分自身に問いかけている場合が多いです。

ドラッカー博士:これからの時代は「給料が少しでも高い職場に転職する」と言うような人々は、経済的な成果をなかなか出すことが出来なくなるだろう。

もっと「仕事=志事の意識になっている人」が重要になる。

それは、自然に育ってはこないだろう。意識マネジメントの共育環境が必要になるのだ。互いに生きがいややりがいを求めて切磋琢磨する。

知識労働者や知識技術者が必要になる。

著者自身:つまり人手ではなくて、人財が必要になると言う事でしょうか?

ドラッカー博士:正にその通りだ。ごく少数で構わない。経営者と二人三脚できる志の高い人財を選抜して育成して共育関係を構築することだ。

重要なのは、意識マネジメントである。経済的な成果は、人が実現してくるものだからだ。

著者自身:では具体的にはどういう意識マネジメントが必要のでしょうか?キャリア開発の研修等ではあまり意味がないように感じます。

ドラッカー博士:20世紀は、工業化の世紀であり大資本家がそれを経営した。21世紀は、知識社会への転換になる。そこには大資本家や莫大な従業員はいらない。そもそも大量に複製品(コピー製品)を生産する必要性がなくなるからだ。

著者自身:凄い時代が到来するのですね。

ドラッカー博士:知識が資本に代替する。知恵ある人財がいれば、それでよいのだ。極論すると、一人一人を「自立経営者」に共育する時代になると言うことだろう。そうなれない人は居場所を失うと言っても良いかもしれない。

所謂ベーシックインカムで生活する人々になると言う事だ。

恐らく大量の人々が、そうならざるを得まい。人間は本来創造的な存在であるので、ベーシックインカムの社会は「文化創造の社会」になって行くのかもしれない。いずれにしても大競争時代になることは確かなことだ。

 

 

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