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三学四師との内観対話:ドラッカー博士とのインサイトダイアローグ7

「変化はコントロールできない。できることはその先頭に立つことだけである。」(明日を支配するもの:P82)とドラッカー博士は言う。

「変化を受け容れる事は、現経営者にとっては至難の業だ。」と私は思った。

 

私は、26年間組織人財開発コンサルタントとして、およそ経営再建に35社関わってきました。中には佐川急便やカネボウ化粧品等の大企業もあります。

それほどの大企業がなぜ変化を受け容れることが出来ないのでしょうか?

それは、自分が経営者に上り詰める過程であった過去の既存事業にしがみつたからです。つまり自分の過去の栄光にこだわり、結果未来を失っていったのです。

 

ドラッカー博士は、「変化はコントロールできない。」と言う心理を明言されています。変化は市場にて発生して来ます。市場には、顧客も競合もいるわけですから、それをコントロールすることは不可能です。

「出来る事はその先頭に立つことだけ」と言う後半は、実に素晴らしい事です。

要するに変化の兆しを察したならば、誰よりもどこよりも早く変化の先頭に立つことだと言う訳です。先頭にひとたび立つことが出来れば他社は自分の轍の後を追いかけてきます。それは、自社が市場の変化を先取りして市場に新しいルールや秩序を形成することも可能になると言うことです。

 

ドラッカー博士:変化が常態だと言う認識が経営者の側に少なすぎるようだな。

著者自身:変化は常に起きているもの。変化しないものはないと言う事でしょうか?確かにそういう実感があります。

ドラッカー博士:その変化に受動的に対応するのか?能動的に変化の先頭にたって変化を促進させるのか?ここに勝負の分かれ道がある。そうは思わないかな?

著者自身:しかし経営者は変化を嫌います。前例踏襲で現状維持を希望しています。できれば対前年で少しでも良くなって欲しい。既存事業にしがみつき、決してリスクを取ろうとはしません。

ドラッカー博士:今までの○○がそうだったのだから、当然これからも○○になるはずだと言う希望的な観測がまかり通ると思うのかね。

著者自身:そうですが、そもそも企業の業績目標の立て方が「前年対比〇%の増加」と言う定型的な陳腐な発想しかありません。今までの延長線上に+アルファをすれば、それで経営していると思い込んでいます。

ドラッカー博士:それでは社会の進化発展はあり得ないじゃないか?スクラップ&ビルドしていかないと、産業社会は疲弊してしまいかねない。

著者自身:そのようになってきています。我が国日本では、既に市場は飽和状態であり、多すぎる同業他社とのデフレスパイアラルによる価格破壊の連鎖。競合他社と互いに食い合って消耗戦を繰り返し、次第に共倒れ現象を起こしつつあります。

ドラッカー博士:マネー資本主義も終焉を迎えることだろう。およそ2025年辺りかな。次に来るべき社会は「知識社会(知財・ビジネスモデル等アイデア優先)」の到来だ。

著者自身:マネー資本主義は閉塞しています。しかし、まだ「知識社会」は見えてきていません。AIやロボット全盛社会と言う事でしょうか?

ドラッカー博士:いや全然違うよ。AIやロボットが担うのは、資本主義の部分。知識社会は人間力の向上を基盤とする新しい資本が台頭するのだよ。そういう変化は確実に起きつつある。

著者自身:その変化の本質とは、どういうものなのでしょうか?

ドラッカー博士:変化の本質は、より人間的なより共感的な資本による経営と言うことだろう。共感資本と言う造語があるが、人間連帯の共感が社会資本を生み出す源泉になって行くだろう。

著者自身:共感資本・・・?全然分かりません。それはどういう資本(金)なのですか?

ドラッカー博士:資本と言う言葉を使っているが、金や物ではない。信用や信頼そして何より人間的な共感による緩やかな連帯感(共同体)が、新しい知識や知恵を創出すると言うこと。社会は金や物ではなく、この共感資本による知識や知恵をベースに新しいビジネスモデルを構築する事になる。

著者自身:例を挙げて下さい。

ドラッカー博士:現在世界を支配している企業は、その大半が知識企業(知識集約型企業)である。そこには、優秀な人財が集まり優秀な経営者が彼らを活かす組織を運営している。知財やビジネスモデルが優れていれば、資金は後からいくらでも集まられる。要するにいかに多くの知識労働者を束ねられる組織かどうかが問われるのだ。アップルしかり、グーグルしかりじゃないか。過去の重厚長大な製造業モデルではない。知識集約型のむしろコンパクトな企業組織である。そこに集まる知識労働者の求めるものが「共感資本」に他ならない。自分の志を実現する、共感が生まれる組織であることが唯一の結節点になる。金やものが先にはならない。共感できるかどうか?自分の志に合致するかどうか?そういう変化が起きているのだ。

 

21世紀に入って20年近いですが、正に21世紀の産業社会が劇的な変化を遂げようとしているのが分かります。しかし、現在の経営者は大半がその変化を受け容れていません。未だに「人手不足」だと採用に目の色を変えています。これからは「人手」ではなく「頭脳」なのです。リーダーシップの在り方も、マネジメントの在り方も全てが激変します。さぁ、あなたの企業組織はその変化の先頭に立てるのでしょうか?

 

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